派遣労働者の保護を…
昨年の今頃、「派遣切り」の話題で日本中が不安感に包まれていました。次々と解雇された派遣労働者が、クリスマスや年末・年始も眠れない夜を過ごしたことが報道され、ますます不安を掻き立てられました。
そんな中、労働者派遣契約の中途解除いわゆる派遣切りに関して、派遣元指針・派遣先指針が改正され、平成21年3月31日から適用となりました。
派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針(いわゆる派遣元指針)に新しく次のような内容が新たに追加されました。(平21.3.31厚生労働省告示244号)中でも注目すべき点は下記です。
●派遣元事業主が、当該労働者派遣契約の解除に当たって、新たな就業機会の確保ができない場合
①まず、休業等を行い、当該派遣労働者の雇用の維持を図るようにするとともに、休業手当の支払等の労働基準法等に基づく責任を果たすこと。
②やむを得ない事由によりこれができない場合において、当該派遣労働者を解雇しようとするときであっても、労働契約法の規定を遵守することはもとより、当該派遣労働者に対する解雇予告、解雇予告手当の支払等の労働基準法に基づく責任を果たすものとすること。
となりました。
万が一にも解雇されてしまった労働者は、先行きが見えない不安の中で過ごさなくてはなりません。労働者を解雇することなく、まずは会社存続の為にも、労働者側の理解と協力を得ながら、一時帰休などの企業努力をされた上で、雇用の維持を図っていくことが望ましいことだと思います。
また、中小企業の事業主様が、一時帰休など休業された場合、要件に該当の場合であれば、「中小企業緊急雇用安定助成金」の申請をされた上で、国からの助成金も受けることが可能になるケースがあります。日本型ワークシェアリングを実施済の場合、助成率が割増になるケースもあります。
会社存続の為にも、労使共存の中、最大限の企業努力が望まれる時代なのではないでしょうか?